プリンセストヨトミネタバレ必要あるか、もちろん映画の話

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プリンセストヨトミネタバレ必要あるか、もちろん映画の話　[娯楽] [編集]

プリンセストヨトミを原作で語るか映画で語るかという議論があります。

ここでは映画のを語りましょう。

ネタバレといっても、サスペンスだとか推理映画ではないので、びっくりにはなりません。

「サイコ」なんていう映画でネタバレをして犯人が誰でどういう心理的な問題があったかを最初に知ってしまうと、最初のスリルに満ちた泥棒シーンを見過ごします。

当時の売れっ子の女優が、人に知れないようにお金を持ってどんどん逃げていく、ああどうなるだろう、どこかで誰かが気づくのではないか、という仕掛けはかなり丁寧です。

このスリルに付き合っていて、いかにも怪しいベイツホテルに泊まる。ここは怪しいから、この泥棒主人公にとって安心だろうか、という期待を抱かせる。

ところが、ああなんということだ、何の脈絡もない怪物みたいな女に襲われて、あの大事な大女優の主人公が、殺されてしまったではないか。

これ、何も知らないで見ないと楽しめません。
観客の持つ不安感、ヒロインへの思い入れ、ほぼ自分もヒロインと同じ気持ちになっているときに、殺されてしまうという驚きです。

何しろ、主人公が死んでしまったのだから、これからストーリーはどうなるだろうかと想像する心の動き自体がせき止まります。
あの、盗んだ金はこれからどうなるのか、殺人犯はそれを狙っていたのか、と疑う気持ちも失せます。

こういう映画でネタバレをやられたら、台無しになります。

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プリンセストヨトミの映画は、ネタバレをやっても「犯人は誰か」と言う話でもなければ、驚きのカタストロフィに行くわけでもありません。

プリンセス本人は、自分がプリンセスであるということを最後まで気づきもしない。
性同一性障害みたいな真田大介と親友で一緒に学校に通う日常が続くのです。

途中で殺されかかっても最後は平和に相手の考えていることを認める宣言をし、新幹線で帰ってくる、というごく普通の話です。

ただ、最初に話題でふられていた富士山のふもとの十字架群があらわれますが、かんじんの鳥居が寝ている。
これは場所が場所ですから、徳川のほうに弾圧されたキリシタンが大阪国のような動きをするかもしれないという伏線を張っています。

もっとも、伏線といっても、本当にプリンセストヨトミ２なんかつくりはしないでしょう。

勘が超人的に働く鳥居という人間は、そのことに気付きもしないし悩みもしないという作り方になっています。
なお、あえて映画ではこの人物を女優にやらせていますね。綾瀬はるかです。
どう考えたって鳥居耀蔵なので、男優にやらせたら濃い悪役になります。

何しろ隠れていた大阪国の決起を起こさせた犯人なんだけど、自分ではそんなことに最後まで気づかない。
大食らいのボケみたいに表現するなら女優にやらせたほうがいい。

相棒の旭を男にやらせています。もちろん旭姫からきていて、原作は絶世の美女らしいですけど、男にやらせてそのイメージを打ち消す。
プリンセストヨトミなんていうと、この旭姫ではないかというミスリードが起きますから。

主人公の松平がなんで親父から大阪国に関する遺言を聞かなければならなかったか、という謎が解決しないまま和解が成立します。
それがエンドタイトル後の400年前のエピソードで語られるのです。そこがネタバレかな。

プリンストヨトミが追手を逃れ洞窟に隠れている。
それを鎧武者が発見するのですけどなにか考えることがあって、居ないと嘘をついて逃がすのです。

その鎧武者は松平です。というか堤真一であって、松平の祖先ということになります。

ここで、代々子孫に伝えなければいけない大阪国の秘密が発生し、代々伝わってくるということになります。
片方は真田家に伝わり、もうひとつが松平家に伝わるということですね。

平田満演じる父親が、死ぬ寸前になんとか息子に伝えたいとじりじり悩んだ経緯がここで理解できるという話です。